広告で見る不動産投資の利回りと現実の差

公開日:2015年5月12日 最終更新日: 2016年1月3日
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投資用不動産の広告などを見ると、利回りが10%以上の物件も見かけることが多いです。

10%の利回りだと500万円投資すると毎年50万円の収入が入ることになるので、かなり生活も変わり夢のような話ですが、本当にあんなに高いのか疑問に思う人もいると思います。

結論から言うと、広告通りの利回りで収入を得ることは難しいので、実際に入る収入を自分で計算して投資判断をする必要があります。


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不動産広告の利回りと現実の差

  • 広告の利回りは「表面利回り(グロス利回り)」
  • 満室時の賃料で利回りが計算されている

広告と現実の最大の違いは、広告に記載されている利回りは「表面利回り(グロス利回り)」が記載されている点です。

表面利回りとは物件価格に対する家賃収入の割合のことです。

仮に1,000万円の物件で年間想定の家賃が100万円の場合、利回りは10%ということになります。

しかし、現実にアパート経営を行う場合、不動産会社に支払う管理費や借入金の支払金利など様々な費用がかかります。

費用の分だけ差し引きで収入は少なくなりますので、表面利回りは悪くなります。

また物件を購入するのにも、不動産取得税や登記費用、不動産会社への仲介手数料など多くの費用がかかります。そのため物件価格には取得費用が上乗せされることになり、その分利回りが悪くなります。

先ほどの物件の場合、物件価格が1,000万円でも取得するのに100万円費用がかかり、さらに年間のコストが10万円かかると、実質の不動産取得価格は1,100万円で実質収入は90万円になり、利回りは8.18%になります。

なお、必要経費を含めた不動産価格に占める実質収入の割合を示す利回りを実質利回りと言い、必要経費分だけ表面利回りよりも実質利回りは悪くなります。


空室リスクも考慮する必要がある

さらに表面利回りは満室時の賃料を想定して算出されているので、空室が出ると実質の利回りはさらに落ちることになります。

広告に記載されている想定賃料は、中古の場合、「現況賃料」と言ってすでに入居して発生している賃料が記載されている場合もありますが、新築物件などの場合は満室になった時の賃料を想定賃料としていることが多いです。

満室賃料の利回りを実現するには、投資期間中ずっとすべての部屋が埋まっていけないとならず、実際そのようになることはほとんどありません。

なので物件選びの際は、一定の空室はあるものと考え、空室率を考慮して収支が十分かどうかを考える必要があります。

どれくらいの空室率を見込むのかは地域や物件の条件にもよりますが、一般的には10%から20%くらいの空室率を見込んでいる人が多いようです。

先ほどの物件で空室率10%を見込むと、収入は80万円となりますのでその際の利回りは7.27%まで落ちることになります。

広告に記載されている利回り10%とは結構差があることがわかりますね。

そこまで計算した上で利回りに納得して投資をするなら問題ありませんが、表面利回りだけを見て食いついてしまうのは危険なことです。



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